あなたの子供は毎日の睡眠の必要条件を満たしていますか?

一般的な睡眠の必須条件は年齢によって異なります。新生児は24時間に平均で16~17時間眠っており、幼児は12~13時間、未就学児は11~12時間、就学児は10~11時間、青年期には9~9 1/2時間と年齢とともに減少していきます。さらに、思春期のはじめには、若者は体内時計が2時間程遅れ、思春期の中頃には日中の敏捷性が低下します。
新生児の睡眠時間は、哺乳瓶で育てられた場合で3時間から5時間の睡眠期間、授乳の場合では2時間から3時間となり、それぞれ1時間から3時間の覚醒時間がその間にあります。一般的な乳児は午前の半ばと午後前半に昼寝をし、18から24ヶ月でそれもなくなります。ほとんどの子供は3〜5歳で昼寝の必要がなくなります。
十分な睡眠とは?

不眠に対する耐性や、必要睡眠量には個人差があります。十分な睡眠とは、子供が休息感を感じ、体が正常に機能するのに必要な睡眠量のことをいいます。睡眠不足は、睡眠必要量に比べて不十分な睡眠のことです。子供の睡眠不足の兆候としては、日中の過度の眠気、気分の乱れや、問題行動、集中力の乏しさ、学習問題などがあります。
子供によくある睡眠の問題とは?
睡眠障害はごく一般的に子供に起こります。例えば、行動睡眠障害からより深刻な一次睡眠障害、例えば閉塞性睡眠時無呼吸症候群(Obstructive sleep apnea hypopnea syndrome)(OSAHS)など、子供の約25%が幼児期に何らかの睡眠障害を経験しています。
これらの幼児期睡眠障害のいくつかは、学童期まで続くことがあり、例えば神経発達遅延に伴う頭部強打の危険にさらされたり、OSAHSのように一度症状がきえてもまた大人になってから現れることがあります。これらの多くは、教育と親の指導で予防でき、治療可能な障害です。
入眠関連障害(SOAD)は、特定の刺激や物に頼らないと寝付けない、または揺れ、授乳、哺乳瓶授乳による覚醒から再度眠ることができなくなってしまうという症状を持ちます。
設定睡眠障害とは、保護者による就寝時間の管理が不十分で、子供の就寝時間が遅くなったり、就寝を拒否したりする状態です。
SOAD、設定睡眠障害、夜間恐怖症、律動性運動障害、また頭部の強打も、就寝時間の遅れや入眠障害を引き起こす原因となります。
睡眠時随伴症、例えば、錯乱覚醒、睡眠時遊行症、夜驚症は、深い眠りから覚醒する時に生じる疾患の一部です。こういった障害はほとんどの子供たちが成長とともに克服していきます。
閉塞性睡眠時無呼吸症候群(OSAHS)は、断続的または長時間に繰り返し気道の閉塞があり、ガス交換が中断され、さらに血液中の酸素の減少または二酸化炭素の増加を引き起こす病気です。早期診断と適切な治療は、疾患の合併症を予防するためにも重要です。

BEARS睡眠診断アルゴリズム
B=就寝時の問題
ベッドへ向かう時や入眠時になにか問題がありますか?
E=日中の過度の眠気
日中に眠気や疲労感を感じますか?学校では?お昼寝はしますか?
A=夜間の覚醒
夜中に目が覚めますか?夢中歩行や悪夢はありますか?再び眠りにつこうとする時になにか問題が生じますか?
R=睡眠の規則性と持続時間
規則的な就寝時間と起床時間が決まっていますか?学校のある平日や週末は何時ですか?どのくらい眠りますか?十分足りていますか?
S=睡眠時呼吸障害
夜中にいびきや息が苦しくなったりしますか?
ジェニー・タン博士
MBB(シンガポール)、MMed Paediatrics(シンガポール)、MRCP(英国)、FAMS、FRCPCH(英国)
SBCC子供クリニック、喘息、肺、睡眠、アレルギーセンター、グレンイーグルス医療センター