子どものこととなれば、どんな些細な病気や症状でも一大事です。それが、がんの危険信号だとしたらなおさらです。
悪性腫瘍やがんの兆候を知っていることは早期発見につながり、時にそれは命を救うことにもなります。
ここでは見落としてはいけない小児がんの兆候を紹介していきます。
1.頻繁な鼻血
子どもの血管は細く、鼻の前の部分から出血することがあります。この血管は思春期後に太くなっていきます。
しかし月に4~5回の頻繁な鼻血が出る場合、これはがんの危険信号かもしれません。
シンガポールの国立大学病院によれば、頻繁で持続的な鼻血は子どもに見られる最も一般的な種類のがんである急性リンパ性白血病(ALL: Acute Lymphoblastic Leukaemia) の症状なのです。
2.治らない傷

子どもは活発なのでスポーツや体をたくさん動かすアクティビティ中にあちこちを切ってしまうこともあります。
そこで気を付けなくてはいけない症状の一つがなかなか治らない傷です。傷は、皮膚、陰茎、膣、口など治りにくい箇所にできることもあります。
このような傷は速やかに処置される必要があり、決して見落とさないようにしてください。
3.腫れたリンパ節
痛みのない腫れたリンパ節は非ホジキンリンパ腫(NHL: Non-Hodgkin Lymphoma) の兆候である可能性があります。
リンパ腫はリンパ節から引き起こされる腫瘍で、症状は、首、脇、鼠径部、胸部や腹部といったリンパ節があるすべての部位の腫れです。
首、鼠径部、脇、鎖骨の上といった身体の表面に近いリンパ節は、皮膚の下に塊として簡単に見ることも触れることもできます。
4.心当たりのない体重減少
子どもがダイエットや運動をしているわけでもないのに体重が減っている場合は、すぐに医師に相談しに行きましょう。
十分なカロリーを摂取していなかったり、通常よりカロリー消費が多ければ子どもでも体重は減ります。しかし、医療関係者によれば急激な体重減少は、がんを含む基礎疾患の兆候かもしれません。
5.息切れ

子どもに息切れが見られたり、呼吸するのに困難な様子が見られるのであれば病院または救急外来にかかってください。
息切れは見落としがちな小児がんの兆候です。
シンガポールの国立大学がん研究所によると、息切れはシンガポールの小児がんの約40%を占める小児白血病の兆候の可能性があるのです。
6.腫瘤
がんの兆候は他にも腹部や手足にできる腫瘤があります。腹部の腫れは小さな子どもに起きる腎臓がんである腎腫瘍(ウィルムス腫瘍)の兆候とKK婦人・小児病院は述べています。
7.説明のつかない行動の変化
子どもがいつもと違う行動をしていたら注意が必要です。何かの病気が潜んでいるかもしれません。
国立大学病院の小児医療研究所によれば、通常と異なる行動はがんの兆候の可能性があり、性格や学校の成績にも変化が見られます。
8.頭痛

シンガポール国立がんセンター(NCCS) によると、頭痛が持続する場合は脳に腫瘍がある兆候かもしれないとのことです。
頭蓋骨は骨でできているため拡張できず、腫瘍により頭蓋内圧が亢進することで引き起こされます。
9.嘔吐
子どもの嘔吐の理由として、食中毒、重度の咳や風邪、またはウイルス性胃腸炎など様々なものが挙げられます。
しかし、脳に影響を及ぼすがんでも嘔吐は引き起こされるとNCCSは述べています。
もし子供が頻繁に吐き気を催し食べ物や水分を吐いてしまう場合は、単なる食あたりではない可能性があるので直ぐに医師に診てもらいましょう。
10.視覚の問題
NCCS は脳腫瘍の可能性がある指標として、目がかすむ、ものが二重に見える、目が見えないなど見え方の問題も挙げています。
子どもが見えにくそうにしているのに気が付いたら、がんの可能性を排除するためにも専門家に相談しましょう。
11.発作
パークウェイがんセンターの小児がん兆候リストの中には発作もあります。この発作は特に高熱とは無関係で、高熱で引き起こされたものとは違う発作です。
このような発作も脳腫瘍の可能性を示しています。
発作は、高熱、不十分な酸素、頭部外傷、その他の病気でも引き起こされるので、原因を特定するには医師の診察を受けるのがベストです。
12.骨の痛み
シンガポールの国立がん研究センターの小児がん兆候リストには、時に足を引きずるほどにもなる骨の痛みも含まれています。
より具体的には、神経芽細胞腫という一般的には副腎に生じる癌性腫瘍の可能性を示唆します。
これは腫れや痛みを引き起こす悪性腫瘍であり、症状は腫瘍の位置により異なります。
13.身体の衰弱
健康促進委員会によると、疲労が続く場合や身体の衰弱はリンパ系のがんであるリンパ腫の症状でもあります。
この診断に必要な検査は、身体検査、血液検査、腫瘍の生検、骨髄穿刺、レントゲン、CTスキャン、MRIなどです。
14.説明のつかない熱

もし子どもが説明のつかない熱を繰り返す場合、KK婦人・小児病院(KKH)はがん(具体的には白血病)の可能性があると述べています。
白血病は子どもに最も多いがんで、骨髄が未熟な白血球を過剰に生産することで引き起こされます。
15.出血
ウィルムス腫瘍は腎臓にできるがんで、KKHによれば尿に血液が混じることがあります。
この珍しいがんは主に子どもにでき、通常片側の腎臓に見つかりますが両側のこともあります。