子どもがいる人であれば一度は大泣きされながら駄々をこねられたことはあると思います。それはショッピングモールであったり、電車であったり、ひそかに親としての評価を下されていると感じる公園であったり。
しかし、もしこのような行動が欲しいものが手に入らないたびに起きていたらどうでしょうか?
もしくは些細なことでも大騒ぎし、生意気な口をきいてきたらどうでしょうか?
自分の子どもがお友達に遊ぶ約束をキャンセルされていることや、他の子どもから避けられていることに気が付き始めているかもしれません。あるいは自分の両親からも甘やかされ過ぎているのではと指摘されているかもしれません。
認めたくないかもしれませんが、手に負えない悪い子に育ってしまったのかと考えてしまったり、もしかすると親として間違ったことをしてしまったのではと考えてしまいますよね。
おもちゃ屋さんで新しいトラックを買ってもらえないからと地面で泣き叫ぶ我が子。そして、その親であるあなたに注がれる周囲の冷たい視線や明らかに聞こえる舌打ち。何も意味がないわけないですよね・・・?
ラジオDJのシャン・ウィーは2人の子どもの父親で、第一子を育てているとき叱り方に関しては苦労をしたそうです。そして、子どものすべての問題行動が親のせいにされることはおかしいと指摘しています。
「パパやママを困らせている気難しい子どもを見かけても私の解釈はいたってシンプルです。それは、ただ単に気難しい子どもなだけです。時間とともに成長し、そのような行動から卒業するかもしれませんが、少なくても今は気難しい子どもなのです」とシャン・ウィーは言います。
4歳までの子どもが時々ふざけて大騒ぎすることは珍しくはありませんが、可愛い天使のような我が子から悪魔の角が生えてきているのかと真剣に疑う必要があるときもあるのです。そして、それは物事をしっかり見つめなおす時でもあるのです。子どもが言って聞かせられる年齢であればなおさらです。
自分の子どもが「悪ガキ」と呼ばれて嬉しい親はいませんし、本当にそのように育ってほしい親もいません。
実は「手に負えない悪い子」にしてしまっている10の間違いを紹介します。この間違いはあなたのお子さんに悪影響を残してしまうかもしれません。
1.悪い行動を受け入れる

想像してみてください。たった今あなたのお子さんはチョコレートケーキを食べたところなのに、今度はアイスクリームが欲しいとねだってきました。
すでに1日分の糖分は十分だと感じるあなたは「ダメ」と伝えますが、お子さんはバンシー(アイルランド民話に登場する泣き叫ぶ妖精)のように大泣きし始めます。
テーブルに手を叩きつけ、まるでこの世の終わりのように泣きわめく我が子。そして、周囲から注がれるあなたへの視線。
その殺人的な視線から逃げるためにもレストランから飛び出したい気持ちでいっぱいですが、まだ自分の食事が終わっているわけではありません。しかし、何を言ってもギャン泣き状態なのです。
そして、あなたは静かに自分のステーキが食べられるようにと結局最後はお子さんの言いなりになり、2つめのデザートを注文してしまうのです。
【なぜ間違いなのか】かんしゃくを起こしている子どもの要求に応じることは、子どもは頑張って泣き叫べばパパもママもそのうち降参すると思わせているだけなのです。
臨床心理士のヴァスコ・ロープス博士によると、これは学習された行動であり、条件反射へと変化していくそうです。
博士は次のように説明しています。「たとえそれがかんしゃくを起こした10回のうち5回だけの成功であったとしても、断続的に強化されていくことで確実に学習された行動へと変わっていくのです。そして、欲しいものを手に入れるために子どもはその行動を続けてしまうのです」
子どもは泣き続けばいずれ自分の要求を受け入れてもらえることを知っているのです。
2.現実世界から守ろうと過保護になる
親であれば何としてでも子どもを守りたいと思うことは当然です。
どんなに些細なことからも子どもを守ろうと「緩衝材」を子どもにぐるぐる巻きにしてしまうという、少し行き過ぎの親もいるかもしれません。
子どもの気持ちも聞かずにすべてを勝手に決めていませんか?もしくは、問題が起きるとすぐにレスキューに向かっていませんか?回り道をしてまでも子どもを厳しい現実世界から守ろうとしていませんか?
【なぜこれが間違いか】これはヘリコプターペアレントの子育てスタイルです。これでは子どもは自分の間違いから学び問題解決できる自立した子どもには育ちません。
また、この子育てスタイルでは子どもは問題行動を起こしやすく、困難に直面した後の成長を妨げてしまっている場合もあります。
3.空虚な脅しをする

お絵かきをしているあなたのお子さんが、壁、床、コーヒーテーブルなどにお絵かきを始めたとしましょう。
家を汚すのではなく紙にお絵かきするように言い、もし守れないのであればクレヨンを取り上げるとも伝えます。
しかし、お子さんはあなたを無視しリビングの壁一面にお絵かきを続けています。
あなたはクレヨンを取り上げようか悩みますが、いちいち説明したり取り上げることで泣かれても面倒なので、ため息をつきながらもお絵かきを続けさせてしまいます。
【なぜこれが間違いか】今後、叱ろうとしてもお子さんはあなたが言ったことを実行しないことを知っているので、あなたの言葉を真面目に受け止めることはないでしょう。
米国アトランタ小児病院の小児科医ハンサ・バーガバ医師は次のように言っています。「幼児や未就学児は『言っているだけの脅し』と実際の罰の違いをすぐに見抜くことができます。愛している我が子にはできる限りのことはしてあげたいですが、言ったことを実行することは非常に大切です。(特に罰は)」
もし親がこのようなことを続けていると、子どもは親のことを権威ある存在と見なくなるとバーガバ医師は警鐘を鳴らしています。
4.子どもを褒めすぎる
愛する子どもに自信を持たせるため親は子どもを褒めたたえ、物事がスムーズにいくようにします。
子どもが大切な存在であることを伝え、些細なことでも(例えば、食べ終わったら食器をシンクに運ぶ)大げさに褒めてしまうのです。
【なぜこれが間違いか】「The Me, Me, Me Epidemic: A Step-by-Step Guide to Raising Capable, Grateful Kids in an Over-Entitled World」の著者エイミー・マクレディは、今の世代の子どもたちが直面しているこの問題の主な原因は親だと考えています。
「権利ばかりを主張するような子どもに育てたい親はいませんが、子育てに必死になっていると過保護になってしまいます。必要以上に甘やかし、褒め、子どもの前に立ちはだかる壁はできた瞬間に取り除いてあげてしまうのです。そうすると、どうなるでしょうか?子どもが自分でやり、間違いから学び、逆境を乗り越えるチャンスを奪ってしまうのです」
5.子どもの言いなりになる
子どものことを「王様・王女様」のように扱い、まるで奴隷のように指示を受け、要求を満たすのです。
ただただ子どもを喜ばせたい一心で子どもの言いなりになり、本当は違うと思っていても黙っているのです。
【なぜこれが間違いか】子どもにとって命令できる人がいるのは楽しいことですが、子どもは権威をもって大切な決断をする親を必要としているのです。
「Your Kid's a Brat and It's All Your Fault: Nip the Attitude in the Bud--From Toddler to Teen」の著者イレイン・ローズ・グリックマンはこう言っています。「自分の専門外のことでは訓練を受けた知識豊かな信頼できる人が担当だと安心するように、子どもたちは親がリーダーであると安心するのです」
6.好き放題やらせる

子どもに好きなように利用され、こき使われていませんか?
子どもが不機嫌なとき、怒鳴られたり、髪の毛を引っ張られたり、すねを蹴られたり、悪口を言われたり、八つ当たりされたりしていませんか?
【なぜこれが間違いか】暴力が問題の解決法ではないことをしっかりと教え、感情を他の方法で表現するように促しましょう。
子どもは決して親を叩いてはいけません。この行動を直さずにいればいるほど、他人に対して暴力的な人に育ってしまいます。
7.他の人のせいにする
自分の子どもがとがめられても「うちの子に限ってそんなことはしない」と守りに入っていませんか?
学校の先生から子どもがクラスで集中していないと言われれば、つまらない授業をしている先生のせいだと先生を責めるのです。
校庭の滑り台を独り占めしていて口喧嘩になればすぐに止めに入り、自分の子どもが遊んでいる邪魔をしないようにと他の子どもを小ばかにするのです。
家に帰り子どもがDVDプレイヤーを壊してしまったのを見つけると、子どもではなく、しっかり見ていなかったお手伝いさんのせいにするのです。
【なぜこれが間違いか】何かが起きても「うちの子に限って」と否定し他人のせいにすることは子どもにとって『百害あって一利なし』です。
行動には結果が伴うことを学べず、何をしても許されると勘違いしてしまうのです。
大人になっても何かが起きれば他人を責め、自分のせいでもそれを認めない人になってしまいます。
8.親ではなく友達になってしまう
子どもの「イカした親」になり、子どもと友達のような存在でいたいのです。
そこで、絆をより深く築けるようにと親ではなく友達のように振る舞ってしまうのです。
【なぜこれが間違いか】子どもには一緒にふざけて遊ぶ友達は既にたくさんいます。本当に必要なのは責任のとれる大人であり、善悪を教えてくれ、導いてくれる良い親なのです。
ベテランのソーシャルワーカー(MSW)であるジャネット・リーマンは次のように言っています。「親としての役割は、こどもに教え、指導し、問題を起こしたら罰を与えることなのです。友達として付き合ってしまうと問題行動に対してのルールや限度を設けることができなくなってしまうのです」
9.言い訳をする
子どもがご機嫌ななめで大騒ぎしているとき、一体何がこの感情の爆発を起こしているのか考えるのです。眠いだけ?お腹がすいた?つまらない?
大騒ぎをしているのには、わけがあるはずですよね?
家に帰りたくないからと、7歳なのにバス停で地面に寝っ転がるのです。
【なぜこれが間違いか】4歳を過ぎても頻繁にかんしゃくを起こす場合は問題です。
成長するにつれ、説明したり話し合えば理解するようになるはずなのです。
現実逃避をすればするほど、子どもの問題行動は大きくなるだけです。
10.悪い芽を若いうちに摘まない
まだまだ子どもが小さいからと問題行動を軽視して、受け入れてしまうのです。
そのうち成長して問題行動からも卒業するはず。
子どもはやっぱり子供。
【なぜこれが間違いか】手に負えないような悪い子どもは、大人になってもわがままになるという研究結果が出ているのです。
その他にも次のことを引き起こす可能性があります。
- 精神的に未熟
- 問題解決能力が低い
- モチベーションが低い
- 惨めな一匹オオカミになる
もしかしたら悪い子に育ってきているのかも?という心の声に耳を傾け、良い大人になれるよう助けてあげてください。
親次第で子どもは悪い子に育ってしまうと思いますか?それとも、悪い子になってしまうのは仕方ないことだと思いますか?下のコメント欄にご意見をお寄せください。